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ラオス・社会活動家誘拐>無事の帰還を求めて9年

メコン河開発メールニュース2021年12月7日

ラオスの著名な社会活動家であるソムバット・ソムポーン氏が行方不明になってから、この12月15日で9年になります。ソムバット氏は夕食後に自宅に帰る途上で、運転していた車を警察官に停められ降りた後、何者かの車で連れ去られ、その後の消息がわかりません。この失踪は、ラオス政府が関与する強制失踪(国の機関等が、人の自由をはく奪する行為で、失踪者の所在を隠蔽すること等を伴い、かつ、法の保護の外に置くこと)であるとみられています。

事件の経緯やこれまでについては、メコン・ウォッチのこちらのサイトをご覧ください。
http://www.mekongwatch.org/report/laos/laos_disappearance.html

ソムバット氏の伴侶、ウン・シュイメン氏は今年、著書「Silencing of a Laotian Son: the life, work and enforced disappearance of Sombath Somphone」を出版しました。ソムバット氏が30年間に亘り携わったラオスの地域コミュニティの生活向上についての活動と、2012年12月15日に遭った強制失踪について綴ったものです。ラオス政府の失踪への関与否定と、シュイメン氏が苦悶しながらも、氏の無事の帰還を求めて国際的な支援を呼びかけ続けてきたその活動についての記録でもあります。

12月14日には、タイの外国人記者クラブでシュイメン氏を含めた4名によるパネルディスカッションが予定されています。このイベントには、タイの国家人権委員会元委員、アンカナー・ニーラパイチット氏も登壇されます。

タイ・バンコクのムスリムの一家に生まれ、看護師であったアンカナー氏は、人権弁護士の夫ソムチャイ・ニーラパイチット氏が2004年に警察官に誘拐されて行方不明になって以来、タイにおける強制失踪の撲滅や人権擁護の活動を続けています。アムネスティー・インターナショナル、光州人権賞やフランスのサルコジ前大統領から贈られた人権保護活動の功績に対する賞など、多数の賞を受けた他、2007年の憲法起草委員会の委員も務めています。メコン・ウォッチでは、2013年にセミナーでお話を伺っています。その際の記録はこちらです。

フォーラムMekong PDF版 第3号 (2013年8月発行)
政治的強制失踪とは?―タイとラオスの誘拐事件に見る開発・人権問題
http://www.mekongwatch.org/PDF/FM-PDF-3.pdf

他に登壇者は、ソムバット氏の30年来の友人であり彼の教育関連の活動やエンゲージド・ブッディズム(社会参画仏教)を通じての活動に影響を与えたスラック・シワラック氏。そして、国連人権高等弁務官事務所バンコクのシンシア・ヴェリコ代表です。司会進行はヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局局長代理フィル・ロバートソン氏が予定されています。

オンライン配信は、12月14日の日本時間正午から以下にて(Facebook中継)。
https://www.facebook.com/FCCThailand/
こちらに詳細が掲載されています(英語)。
https://www.fccthai.com/events

 

(文責:メコン・ウォッチ)

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