メニューを飛ばして本文へ移動。

    English site

[メコン・ウォッチ]

ホーム | お問い合わせ | メールニュース登録 | ご支援のお願い


イベント | メコン河とは? | 活動紹介 | 追跡事業一覧 | 資料・出版物 | ギャラリー | メコン・ウォッチについて

ホーム > 資料・出版物 > メールニュース > ミャンマー >クーデター後のカヤー(カレンニー)州の状況とバルーチャウン発電所

クーデター後のカヤー(カレンニー)州の状況とバルーチャウン発電所

メコン河開発メールニュース2021年8月10日

 

2021年2月1日のクーデター後のカヤー(カレンニー)州の状況について、「カレンニー市民社会ネットワーク」(KCSN)が3つの資料を発表しています。5月にカレンニー人民防衛隊(KPDF)が結成されて以降、国軍との間で戦闘が起きており、民間人住民に多大な被害が出ていることが示されています。

カヤー州ロイコー郡にはバルーチャウン第2水力発電所が、またカヤー州と接するシャン州ペコン郡には同発電所への水の供給源であるモービエダムがあります。どちらもKCSNによれば断続的に戦闘が起き、その結果多数の国内避難民が出ている地域です。

バルーチャウン第2水力発電所(設置出力168メガワット)はミャンマーの主要な電力供給源の1つであり、日本政府の資金援助によって1960年に完工しました。建設時には上流のモービエダム周辺地域が広範囲に渡り水没し、住民の強制移住がありました。また、発電所周辺に配備された国軍による組織的な強制労働の問題や、都市に延びる送電塔の下に埋設された地雷による被害の問題も長期間、指摘されてきました。

【参考】
バルーチャウン第2水力発電所(メコン・ウォッチ)
http://www.mekongwatch.org/report/burma/baluchaung.html

同発電所には、1960年以降も日本のODAによる補修や改修が行なわれています。1987年に同発電所の改修・更新工事のためミャンマーに35億円の円借款を供与。さらに2002年には6億2,800万円を限度とする無償資金協力を行うことで軍政と合意。2011年の「民政移管」後も、補修計画に対して2013年に66億6,900万円限度の無償資金協力を決めています。

クーデター後のカヤー(カレンニー)州の状況
【出典】
Bi-Weekly Situation Update by the Karenni Civil Society Network, July 19 - Aug 1, 2021: Summary of SAC Violations in Karenni State and Pekhon Township (August 4, 2021)
https://progressivevoicemyanmar.org/2021/08/04/bi-weekly-situation-update-by-the-karenni-civil-society-network-july-19-aug-1-2021-summary-of-sac-violations-in-karenni-state-and-pekhon-township/
Bi-weekly Situation Update by the Karenni Civil Society Network, June 22 - July 4, 2021: Summary of SAC Violations in Karenni State and Pekhon Township (July 7, 2021)
https://progressivevoicemyanmar.org/2021/07/07/bi-weekly-situation-update-by-the-karenni-civil-society-network-june-22-july-4-2021-summary-of-sac-violations-in-karenni-state-and-pekhon-township/
*上記の2つの資料は、2021年2月1日のクーデター以降8月4日までのカレンニー州およびシャン州ペコン郡での国軍の攻撃による被害状況のまとめ。死者数や避難民数などの表や戦闘が起きている場所などを示す地図あり。

KCSN Briefer on the Situation in Karenni State After the February 1 Military Coup in Burma (June 21, 2021)
https://progressivevoicemyanmar.org/2021/06/21/karenni-civil-society-network-briefer-paper-on-current-karenni-state-situation/
*クーデター後のカレンニー州の状況のまとめ。戦闘が起きている場所などを示す地図や、KCSNによる提言が含まれている。

カレンニー(カヤー)州では5月にカレンニー人民防衛隊(KPDF)が結成され、同月下旬以降、同州のロイコー、デモーソー両郡やシャン州のペコン郡などでミャンマー国軍との戦闘が続いている。国軍は民間人居住地域に空爆や砲撃を行い、KCSNによれば8月1日までに200以上の家屋や教会が破壊された。また民間人の逮捕や拷問、殺害も起きている。KCSNによれば8月1日までに82人が死亡、135人が逮捕され、102人がけがをした。

結果、8月1日までに約12万人が国内避難民(IDP)となっている。カレンニー州およびシャン州ペコン郡の人口は合わせて約40万とされており、その4分の1以上が避難していることになる。避難民の大半はジャングルの中にできた急ごしらえのキャンプにおり、清潔な水などの支援を必要としているが、6月21日付のKCSNのブリーファーによれば国軍は国内からの人道援助を妨害している。KCSNは国際社会に対し、タイ側から国境を越えた援助を行ない、国軍が民間人への攻撃を止めるように政治、経済的制裁を科すよう呼びかけた。

(文責:メコン・ウォッチ)

このページの先頭へ

サイトマップ
特定非営利活動法人 メコン・ウォッチ
〒110-0016 東京都台東区台東1-12-11 青木ビル3F(地図
電話:03-3832-5034 Fax:03-3832-5039 
info@mekongwatch.org
© Mekong Watch. All rights reserved.