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ラオス>セピアン・セナムノイダム決壊事故(6):遅れる対応

メコン河開発メールニュース2019年5月14日


2018年7月23日にラオス南部で発生したセコン川水系に建設中のセピアン・セナムノイ水力発電ダム(以下XPXNN)決壊事故について、これまで公表された情報と現地訪問で得られた情報を、7回にわたってお伝えしています。6回目は現地状況の続きです。

これまでの回はこちらのサイトでご覧いただけます(関連メールニュース欄をご覧ください)。

被災地のサナームサイ郡では、壊滅状態になった6村の住民の移転地の造成が進められています。造成地にはところどころ、棒などの印が置かれています。不発弾を処理する場所だと言います。アッタプー県はベトナム戦争の時代、米軍から激しい空爆を受けた場所の一つで、今でも森の中などに不発弾が残っています。今回の事故で、土砂崩れが起き土中の不発弾が移動していること、処理を行なっていなかった森林を住宅・農地にするために開墾したことで、新たな不発弾処理が必要となりました。

人々の最終的な移転まで、事故から5年がかかると言われていますが、これまで紹介したようにキャンプの居住状況は現地の気候に合っておらず、水の供給などにも問題が見られ、何の落ち度もない被害者であるはずの住民が、様々な困難を強いられたままでいます。住民からは、早く移転地の土地の分配を行なってほしいという声がでていました。移転先の恒久住宅の建設中に、自分たちで敷地内に仮の小屋を作りそこで暮らした方が、キャンプの中よりも環境が良いから、とのことです。住民のニーズは受け入れられるべきでしょう。

元の村を見ると悲しくなる、再び事故が起きるのが怖いから別の場所に移転したい、という人たちがいる一方、元の村に帰りたい、という声も聞かれました。第4回で紹介したように、少数ですが、元の村に戻って家を片付け始めた人たちがいます。また、事故のリスクが少ない乾季は元の村で、雨季には移転地で暮らしたい、という人もいました。被害を受けたラオ民族の村、特にマイ村などは、農業やチャンパサック県との交易で経済的に豊かで、戻りたいと考える人たちが少なくないようです。

今後どこに住みたいかについては、住民の希望が異なりましたが、共通した要望は農地の回復です。6村の農地は今、土石流に埋まったような状態です。深く埋まったところもあれば、数十センチの泥が積もっただけのところもあります。できれば、今年(2019年)の雨季には、稲作を再開したい、といいます。移転地に用意されるであろう農地は、住民の数に比べて十分でないと見られているためです。また、開墾した場所を農地に変えるのは、住民にとっても大変な労力がかかります。

また、前回で一部をご紹介したように、数多くの悲劇が起き、心理的なケアを必要としている人もいます。その一方、アッタプーの農村の人々は、アメリカの空爆や内戦、その後の貧困など、困難な状況をくぐり抜けてきた、生きる力の強い人たちとその子孫です。今も、自分たちの手で食料を調達し、家を建て、早く農業を再開したいと生計回復への強い希望を持っています。まずは補償がきちんと支払われること、そして、人々の希望を吸い上げる仕組みを、投資企業とラオス政府は協力して作り、住民の自主性を生かした復興がなされるべきです。今まで水力発電事業を支援してきた国際機関やドナー国が、生計回復への支援や、ラオス政府へのアドバイスを行う必要もあると考えます。

(文責:メコン・ウォッチ)

 

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