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カンボジア・セサン下流2>建設予定地の森林伐採が始まる

メコン河開発メールニュース2013年9月26日

カンボジア北東部ストゥントレン州のセサン下流2ダム建設予定地の森林伐採が始まっています。

このダムは約3万6千ヘクタールを水没させると言われ、建設されればストゥントレン州の4つのコミューン【1】が水没し約5,000人(約1,100世帯)もの住民が移転を余儀なくされます【2】。しかし、住民との協議は十分に行われておらず、影響住民は移転や補償の詳細や、ダム建設計画の基本的な情報すら正確に知らされていません。

このダムは、メコン河の最大支流域を形成するセサン川の河口付近に建設され、回遊する魚を含めメコン河全体の魚類生態系に打撃を与えることが懸念されています。そうなれば、影響はカンボジア一国にとどまらず、メコン河全体に広がってしまいます。

メコン河の共同管理を行うことをめざして作られたメコン河委員会の開発パートナーも、この事業の設計変更をカンボジア政府に促しています。
http://www.mekongwatch.org/resource/news/20130711_01.html
セサン下流2ダムについてはこちらをご覧ください。
http://www.mekongwatch.org/report/cambodia/LowerSesan2.html

様々な問題が指摘されるなか、現地では既に貯水予定地で森林伐採が始まっています。更に、この伐採は、貯水予定地を超えて行われていることも報道されています。

以下、森林伐採開始を知らせるカンボジアデイリー紙の記事【3】をご紹介します。

ストゥントレン州のダム建設のため森林伐採が始まる

2013年9月5日
『カンボジアデイリー紙』

大規模水力発電ダム建設に向けて、ストゥントレン州での森林伐採が正式に開始されたが、水曜日、地元当局や村人は、森林伐採が密かに建設予定地の外でも行われていると話した。

セサン下流2ダムは、ダムがもたらす恩恵よりも社会環境コストの方が大きいと、環境活動家や野党議員から激しい反対の声が上がる中、国会で2月に承認された。

この400メガワットのダムは、カンボジアの実業家Kith Meng氏と中国企業ハイドロランチャン国際エネルギー社(Hydrolancang International Energy Co. Ltd.)との共同事業で、セサン郡の5,000人以上の住民が移転を余儀なくされる計画だ。数々の調査が、このダムが漁業に甚大な影響を及ぼす可能性があり、それによりダムの上流と下流の住民10万人以上の生計に影響を与えると指摘している。

スレコーコミューン当局は、3万6千ヘクタールの貯水予定地の森林伐採は4月に開始されたと報告したが、州の役人らはこれを否定した。

「ダム建設予定地の森林伐採について、これ以上は上級の役人だけがメディアに語ることが出来る」と、スレコーコミューンとクバールロミーアコミューンを担当する森林事務所のTith Vy所長は述べた。Vy氏は、ダム貯水予定地の伐採が、正式に開始されたことは認めたが、その時期を明かすことは拒否した。

スレコーコミューン長のSiek Mekong氏は、伐採がコンセッションエリア(利用権を認められた土地)の境界を越えて行われ、セサン川の岸から20km離れた場所まで及んでいると訴えた。

予定地の外で伐採された木材は、コンセッションエリア内で伐採されたかのように見せかけられ、木材の質によって1立方メートル当たり150〜500米ドルで取引されているとMekong氏は言う。

「そして予定地の外で伐採されたあと、コンセッションエリア内で保管されている」「半数以上の村人がお金を得る目的で、[木材]販売のために森を伐採することに合意した」とMekong氏は語った。

スレコー村のある住民は、匿名を条件に語り、彼や家族は伐採作業に参加しているが、予定地の伐採許可が彼らの違法行為のカモフラージュになるため安全だと知った上で参加していると語った。

「もし私がやらなくても、他の村人たちが伐採をするだろう。それに、私たちはお金が必要だ」「企業は、政府からすべての木を伐採する許可をもらったので住民は心配しなくてよいと私たちに説明した」と彼は言ったが、企業名は明かさなかった。

このダムの建設中止を求めてロビー活動を続けてきた地元の市民団体、3S川保全ネットワークのコーディネーター、Meach Mean氏は水曜、このダムは「大きな間違い」だと述べ、政府は横行している違法伐採に介入し、コンセッションエリアがどこからどこまでなのか境界を明確にするべきだと訴えた。

「この事業は既に深刻な違法伐採を引き起こし、既に彼らは[政府との]合意に反している」とMean氏は指摘した。

アン&アソシエーツ法律事務所(Ang & Associates Lawyer Ltd.)から今年初めに受け取った書類のコピーによると、Meng氏の企業と、地元複合企業ソキメックス(Sokimex)グループの創始者Sok Kong氏の兄弟Sok Vanna氏が所有する企業が、伐採の共同事業契約を結んでいる。

契約によると、「約3万6千[ヘクタール]の森林伐採計画は、2013年から2015年の3年間で行う」とされ、初年は1,000ヘクタール、2年目には13,000ヘクタール、そして最終年には13,000ヘクタールを伐採する、とされている。

この1月15日付の書類では、3百万米ドルの「現金」と引き換えで、「森林を皆伐し、国内市場での販売や海外への輸出が可能な[すべての]丸太および木材を収集し、輸出する」ともされている。

Vanna氏の秘書Chan Ang氏は、この件についてはMeng氏がより詳しいため、Vanna氏はコメントを避けると言っているとした。

「彼はメディアに対して話せる立場にはありません。まだOknha Kith Meng氏が中心人物ですから」とAng氏は言った。

そのMeng氏もコメントすることを拒否した。

 


【1】カンボジアの地方行政区画には、州、郡、コミューンの三層がある(プノンペンなどの特別市は、区、町の三層)。コミューンの下に、日常生活では重要な集合体である村があるが、正式な行政区画ではない。

【2】2009年に実施された環境社会影響評価(EIA)の数値。2013年2月にカンボジア国会で可決された予算法案では、ストゥントレン州の3つのコミューンが水没、移転は797世帯と見積もられている。

【3】原文(英語)は、以下で閲覧可能
http://www.cambodiadaily.com/news/forest-cleared-for-stung-treng-dam-construction-41693/

(文責/翻訳 メコン・ウォッチ)

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