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ラオス・トゥンヒンブンダムの融資契約締結

メコン河開発メールニュース2008年11月24日

ラオス中部のトゥンヒンブンダム拡張事業について、事業を実施するトゥンヒンブン電力会社とタイ輸出入銀行や民間銀行が融資契約を締結しました。

トゥンヒンブンダムは、もともとアジア開発銀行の融資を受け、1998年に完成した水力発電用のダムです。このダムは大きな貯水池を形成しない「流れ込み方式」で、移転住民も少なく環境に優しいと喧伝されていました。

それにもかかわらず、30〜90%もの漁獲高の減少、畑の喪失や乾季に飲み水を得ていた水源の破壊、洪水の長期化による家畜の病死や村人の健康被害、漁網の損失、交通の困難さが増すなど、ダムの上流と下流に暮らす57村の25,000人以上の人々の生活に深刻な影響を与えています。また、発電後の水が転流されるナムハイ川と(ナム)ヒンブン川の川沿いでは、水位が上昇したことで、深刻な河岸浸食や土砂堆積が起きています。

こうした被害の緩和や住民に対する十分な補償が行われていないにも関わらず、トゥンヒンブン電力会社は、現在220メガワットのトゥンヒンブンダムの発電量を500MWに拡張するため、今度は貯水池を伴う新たなダムの建設を計画しています。現在、ナムトゥン川からナムハイ川を通り(ナム)ヒンブン川に流される水は、毎秒110立方メートルですが、拡張後は最大で毎秒220立法メートルの水が流されることになり、トゥンヒンブンダムの未解決の環境社会影響がさらに悪化することが懸念されています。

同事業については、当初、三菱東京UFJ銀行も出資を検討していましたが、今回、融資契約に至ったのは、タイ輸出入銀行の他、タイ、ベルギー、フランス、オーストラリア、ニュージーランドの商業銀行です。

トゥンヒンブン電力会社、融資契約を締結

ビエンチャン・タイムズ紙
Manichanh Pansivongsay
2008年10月13日

トゥンヒンブン電力会社(THPC)は、トゥンヒンブン拡張プロジェクトの建設に6億6500万ドルを投資する。

THPCは、220MWのトゥンヒンブン水力発電事業を所有しており、同事業は、ビエンチャンから約280km離れたボリカムサイ県のナムトゥン川とナムヒンブン川の流域に位置している。

10月8日、バンコクのコンラッドホテルにて、同企業は拡張事業の建設を進めるための6億ドルに相当する融資契約に調印した。

プレスリリースによれば、THPCのDavid L. Michaels氏、タイ農民銀行のPrasarnTrairatvorakul頭取、タイ輸出入銀行のApichai Boontherawara総裁、KBC銀行(訳者注:ベルギーの銀行)のアジア・プロジェクトファイナンス部門の代表のJackie Surtani氏、そしてBNPパリバ、オーストラリア・ニュージーランド銀行、アユタヤ銀行、サイアム・シティ銀行、タナチャート銀行の代表者によって、融資契約が調印された。

同社の最初の220MWの水力発電事業の建設は1995年に始まり、1998年3月から商業運転を開始した。

それ以来、その発電所で生産される電力のほとんどは、タイ発電公社との長期的な電力購買合意の下、タイに供給されてきた。

この10年、トゥンヒンブン電力事業は、税金、ロイヤリティ、そして同社の60%の株式を所有するラオス電力公社が受け取る配当金を通じて、ラオス政府にとって安定した収入源となってきた。

タイとラオス双方の電力需要の増加に対応するため、2007年、THPCは現在の220MWの発電能力を500MWに拡張することを決定した。

融資は、貯水池を造るための上流ダム建設の資金として使われる。この貯水池によって、現存の事業設備では取りこぼしてしまっている重要な水資源を事業が活用できるようになる。

下流に位置する発電所に水を転流するために新しい導水路が造られ、2012年まで現存の発電能力を500MWまで増大させるためにタービンが取り付けられる。

拡張工事の建設は、2008年から2012年の4年を要する。

トゥンヒンブン電力事業は完成すれば、合わせて500MWの発電能力を持つことになり、その約88%はタイに輸出され、残りはラオスで消費されることになる。

調印式には、ラオスのエネルギー鉱業省エネルギー局の局長Viraphonh Viravong氏、ラオス電力公社の常務取締役Khammany Inthirath氏、そして拡張事業の出資者であるStatkraft 社(訳者注:ノルウェー企業)の事業開発部長のJanCedewall氏が立ち会った。

(翻訳・文責 東智美/メコン・ウォッチ)

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