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サルウィンダム>ハッジーダムに中国企業が出資

メコン河開発メールニュース 2006年7月5日

メコン河と並ぶ東南アジアの国際河川サルウィン川で初めてとなる大型ダムのハッジーダム。軍事政権下で人権侵害が甚だしいビルマに計画中のこのダムを推進してきたタイ発電公社の呼びかけに応じ、中国のシノハイドロ社がこのダムに出資することが決まりました。

ビルマでのダム建設は異常な状況で進められています。カレン民族を中心に数万人を立ち退かせ、戻ってこないように地雷がまくと言います。警備のための軍による強制労働、軍による強奪・レイプなどの人権侵害・・・。経済発展や貧困削減のために電力輸出用のダムは必要かどうか、そんな議論にすりかえられる問題ではありません。

以下、メコン・ウォッチの秋元由紀の解説です。


メコン・ウォッチのメールニュースやウェブページでお伝えしてきた通り、タイ発電公社(EGAT)とビルマとは共同してサルウィン川上の複数地点にダムを建設して水力発電をする計画を進めています。2005年12月には同川上のハッジー地点を他の地点よりも優先的に開発することで合意し、EGATは事業への出資者を探していました。

そして、2006年6月26日、中国の水力発電会社シノハイドロ(Sinohydro)社【脚注】がハッジーダム開発事業に出資し、設計・調達・建設にも主要な参画者として関与する合意をEGATと結んだことが明らかになりました。

Shan Herald Agency for News(2006年6月28日、英語)
覚書の調印式の写真と記事(中国語)

中国はビルマ国内で進行中の大型水力発電事業の多く資金・技術提供をしており、昨年からサルウィン川開発にも関心を示していました。ハッジーの推定出力は600メガワット、建設総額は10億ドルとされ、電力の大部分はタイに輸出される予定です。予定通り完成すればサルウィン川上の初のダムとなります。

ダム建設によって影響を受ける住民に対する事業の説明などは行われていません。
これまでにEGATが行った各種調査の結果や、環境影響評価、建設によって影響を受ける住民にどう対応するのかといった基本的な資料も一切公開されていません。

ハッジーダム予定地はタイ・ビルマ国境から約30キロのカレン州内、ビルマ軍政の支配地域と軍政寄りの民主カイン仏教徒軍(DKBA)という武装勢力の支配地域とが入り組んだ場所にあります。この上カレン州には反軍政のカレン民族同盟(KNU)という武装勢力も展開しているため、ダム開発は不安定な状況の中で進められています。実際、周辺には既にビルマ軍とDKBAがそれぞれ部隊を展開しているようです。しかし安全が確保されたわけではなく、5月には建設現場近くでEGAT職員が地雷で負傷し数日後に死亡するという事件が起きています。

ビルマ軍は建設予定地を確保するため住民を強制的に立ち退かせる作業を始め、立ち退かされた住民が元の場所に戻らないように地雷を設置しています。また、作業が始まってから建設現場近くのサルウィン川にチェックポイントが設置され、通過する船はそこで止まらなければ銃撃するという命令が出ているそうです。

現地で活動するカレン・リバーズ・ウォッチによれば、ハッジーダムの完成によって約8万人もの住民が移住を余儀なくされる恐れがあります。大型ダム建設による様々な環境問題も懸念されますが、これまでビルマで行われてきた開発事業の多くでは、警備にあたっていたビルマ軍部隊が周辺住民に強制労働をさせ、食糧・物資の略奪や強かんなどの人権侵害を起こすという問題が起きています。ハッジーダム建設でも同様の問題が起きる可能性は多分にあるでしょう。

◆詳しい情報はメコン・ウォッチの以下のサイトを参照下さい。

サルウィン川ダム開発

◆主な出典

【脚注】シノハイドロ:正式名称は、中国水利水電建設集団公司(SinohydroCorporation Ltd.)。中国のダムの70%はこの会社によって建設されているという中国最大級の水力発電所建設会社。国内では三峡ダムの他、瀾滄江上では漫湾、大朝山、景洪、小湾、糯扎渡の建設に関わる。他のメコン流域ではラオスのナムグム5、ナムマン3ダムの建設等に関わっている。

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