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サルウィンダム > 米国議会上院公聴会

メコン河開発メールニュース 2006年5月16日

ビルマ(ミャンマー)の軍事政権による民主化弾圧・人権侵害への国際社会の批判はますます高まっています。そうした中、中国からタイ・ビルマ(ミャンマー)を流れる国際河川サルウィン川のダム開発の問題が、米国議会で取り上げられました。

以下、メコン・ウォッチの秋元由紀(ワシントンDC駐在)による解説です。

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これまでのメールニュースでお伝えしてきた通り、タイの発電公社(EGAT)とビルマとは2005年5月に共同でタイ・ビルマを流れるサルウィン川での水力発電開発を行う覚書(MOU)を交わし、さらに同年12月にはビルマ・カレン州内サルウィン川上のハッジー地点を優先的に開発するという合意を結びました

タイ・ビルマを流れるサルウィン川での水力開発については、環境破壊や周辺住民の生活手段の喪失だけでなく、カレン・カレンニー・シャン民族へのビルマ軍による迫害行為の悪化の恐れや不透明な意思決定過程などが問題とされています。
詳しくはメコン・ウォッチのサルウィン川開発のページをご覧ください

まもなくビルマに対する経済制裁法の更新時期を迎える米国議会でもサルウィン川開発問題に注目が集まっています。3月29日には米国議会上院外交委員会がビルマに関する公聴会を開き、5人の証人からビルマの政治・経済状況などについて話を聞きました。証人の1人、ショーン・ターネル博士(マッカリー大学)が証言の中でサルウィン問題に触れています(下記参照)。

同委員会は公聴会後にもターネル博士に質問を送り、サルウィン川開発によって起きる可能性のある社会・環境問題にはどのようなものがあるか、また影響を受ける可能性のある地域の住民などがダム建設に関する意思決定過程に参加する機会があるのかを尋ねました。ターネル博士の回答は委員会からの質問とともに公聴会議事録に掲載される予定です。

日本では在日ビルマ人民主化活動家など143人が4月24日付で駐日タイ大使に手紙を送り、サルウィン川開発についての懸念を伝えました。ヨーロッパでも同様の手紙をEU各国のタイ大使に送る計画が進められています。

以下は米国上院外交委員会の公聴会でのターネル博士による証言のうち、サルウィン川開発に関する部分の日本語訳です。

米国議会上院外交委員会 東アジア太平洋小委員会の公聴会での証言

2006年3月29日午後2時30分

ビルマ・エコノミック・ウォッチ

マックアリー大学(シドニー)経済学部および
コーネル大学東南アジアプログラム客員研究員
ショーン・ターネル博士

[途中省略]

前述の通り、ビルマへの投資国としてのタイの役割は相対的に縮小しつつある。しかしタイは依然としてビルマ経済に大きな影響力を持っている。タイからの投資事業のうち多方面への影響が予想されるものに、最近ではビルマと共同でサルウィン川に4つの大型ダムを建設する計画(2005年に合意)がある。これらのダムはタイに水力発電による電力、ビルマに外貨収入をもたらすとされる。しかしながら、残念なことにこれらの事業の及ぼす影響は無害であるとはおよそ言いがたい。4つのダムはどれもカレン、カレンニー、シャンという民族が住む地域に建設が予定されている。これらは非ビルマ民族系の民族集団の中では大規模だが、経済的にはもっとも周辺化された民族である。このような非ビルマ民族は、これまでにも国内で行われてきた様々なインフラ整備事業によって多大な損害を被ってきたが、サルウィン川開発によっても同様の苦しみを味わうことは疑いの余地がない。米国議会も認めるように、これらの民族に対しビルマ軍政が行ってきたことは一種の「民族浄化」である。ビルマ軍政が手がける多数の大規模開発事業の例に漏れず、サルウィン川開発も大惨事を招きつつあることは火を見るより明らかである。

[以下省略]

出典:”Burma’s Economic Prospects,” Testimony before the Senate Foreign Relations Subcommittee on East Asian and Pacific Affairs, 29 March 2006, by Dr Sean Turnell, Burma Economic Watch, Economics Department, Macquarie University, Sydney, Australia, Visiting Fellow, Southeast Asia Program, Cornell University.

原文(英語): Burma's Economic Prospect(PDF)

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