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原発輸出>ベトナムの原発、2020年には稼働しない可能性

メコン河開発メールニュース2014年1月20日

ベトナムの原子力発電開発に関し、現地から新しい情報が入ってきました。

ベトナムに対し日本政府は、福島事故後も原発輸出を強力に推し進めています。これまでの経緯はこちらをご覧ください。http://www.mekongwatch.org/report/vietnam/npp.html

今まで積極的に原発導入を進めてきたグエン・タン・ズン首相が、「原子力発電は最大の安全性と最も高度な効果を保障する必要があり、これができない限り行うことはない」と発言し、計画の延期を示唆したことが報じられました。NHKも同様のソースを引用し「ベトナム原発建設 大幅延期か (1月16日)」というタイトルで報じています。

以下、この発言を巡り、『サイゴン経済時報オンライン』報道記事を、匿名の翻訳者の協力によってお伝えします。

原発、2020年にもまだ稼働しない可能性あり

2014年1月16日(木)17:24 (グリニッジ標準時+7)
『サイゴン経済時報オンライン』
ヴァン・ナム記者

計画によると、2020年にベトナムはニントゥアン第一原発を1,000メガワットの容量で稼働する予定だった。ところが、昨日1月16日付けの首相グエン・タン・ズンの発表によると、ベトナム初の原発建設の着工が2020年まで延期されるかもしれないという。
 
1月16日、トゥオイチェー(訳注:若者)紙は1月15日のグエン・タン・ズン首相のベトナム国家石油公団での年度総括式におけるスピーチを引用した。「ニントゥアン原発建設工事の起工は2020年まで延期してから実施する可能性がある。原子力発電は最大の安全性と最も高度な効果を保障する必要があり、これができない限り行うことはない。」
 
政府首相決定第906/2010/TTg号には、2030年までにベトナムは13ヶ所の原発を建設するとある。初期段階では、今から2015年までに、投資、立地、業者入札、中核的技術専門家養成の計画の批准を完了し、最初の原発建設を着工することになっていた。
 
計画では2020年にニントゥアン第一原発の建設工事を完成し、1,000メガワットの容量で1号機稼働を開始するとなっており、2号機は2021年の稼働となっていた。同時に、ニントゥアン第二原発の建設に着工し、さらに続く原発の用地を準備することとなっていた。計画では2025年までで、全原発の発電容量は計8,000メガワット、さらに2030年までで15,000メガワットとなっている(これは全電源の約10%に相当する)。
 
サイゴン経済時報オンラインからの、2020年までニントゥアン原発の起工を延期する可能性があることになった原因は、との質問に答えて、本日(1月16日)ベトナムエネルギー協会会長のチャン・ヴィエト・ガイ氏は次のように答えた。主たる原因は建設のための財政計画が、ベトナムと金を貸してくれる各国との間でいまだ協議中であり、目星がついていないことにある。ニントゥアン第一原発計画は資金をロシアから、第二原発は日本から借り入れすることになっている。
 
ガイ氏によると、各関係諸機関の間ではいまだ技術、設備、原子炉の種類等々の策定について協議中で、それが決まってやっと総予算額が算定できる、そしてそれが終わってやっと借入資金や財務計画が決まってくる。
 
ガイ氏の意見では、ニントゥアン原発計画に関して最重要の点は、絶対に安全な工業技術を採用するということだ。そして放射性物質の外部への放出が現地住民の生活に影響しないようにしなければならない。
 
原子力発電の緊急性に関し、ガイ氏は、今から2020年までの間に数件の重要な電力計画があり、ベトナム南部にはそれで十分な電力が供給できるだろうとする。これにはロンフー第一、ロンフー第二、ソンハウ、ズエンハイ第一、ズエンハイ第二、ズエンハイ第三、拡大ズエンハイ第三、ビンタン第二、ビンタン第四、等々の各発電所が挙げられる。これらの発電容量は1万メガワット近くにのぼり、南部地方はこれで今から2020年までの電力需要に応えることができるばかりか、20%の余力も有している。
 
このように、今後2020年までの間、南部地方への電力供給に関してはそれほど心配しなくてもよい。だから現状では原発が緊急に必要というわけではない。
 
先日1月10日には国際原子力機関 (IAEA) 事務局長の天野之弥氏が、ニントゥアン省を訪れ、人民委員会幹部と原発投資計画について話し合った。その直前には、ニントゥアン省トゥアンナム県フォックジン社ヴィンチュオン村の建設予定地も視察している。
 
この会議の席で、ニントゥアン原発計画管理委員会代表が事業の進行状況を説明した。現状では可能性調査報告書が出たばかりの段階で、ベトナム電力公社がこれを審査し、今年、首相に報告して批准を得るという手順になっている。インフラ計画としては、原発へ通じる道路、電気、水道供給設備の整備、建設現場事務所等が現在、設計を検討している段階であり、今後入札を経て2014年末に建設を始めることになっている。
 
同時に、原発人材育成計画はすでに批准を終え、実際の育成が始まっている。計画管理、顧問、運転等にかかわる人材で、原発一ヶ所につき約1,100人を必要としている。
 
天野之弥氏が1週間前にニントゥアンで得た情報を、IAEAはベトナム側と一緒に検討し、原発建設を成功裏に安全にしかも完璧に行うための支援と助言を行うことになっている。


原文はこちら:
http://www.thesaigontimes.vn/Home/xahoi/sukien/108917/Nam-2020-co-the-chua-san-xuat-dien-nguyen-tu.html
2014年1月17日(金)7:28  (グリニッジ標準時+7) 閲覧

 

(翻訳・文責 メコン・ウォッチ)


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