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ホーム > 資料・出版物 > メールニュース > ベトナム・セサン川ダム>MRCが非公開情報をもとに因果関係を否定

ベトナム・セサン川ダム > MRCが非公開情報をもとに因果関係を否定

メコン河開発メールニュース 2006年6月8日

ベトナム中部高原からカンボジア北東部を流れるセサン川は、メコン河最大の国際支川です。90年代半ばに、この川のベトナム領内にヤリ滝ダム(720MW)が建設され、そこからの放水によって、カンボジア側では洪水など異常な水位変動や水質悪化が起き、多くの人命や家畜の命が奪われました。被害は程度の差こそあれ、10年経った今でも続いています。

しかし、国際河川であるメコン河の利用を調整する国際機関のメコン河委員会(MRC、事務局はビエンチャン)は、非公開の水質調査結果をもとに、ダムとの 因果関係を否定しています。

以下、メコン・ウォッチの後藤歩による解説と現地英字新聞記事の翻訳、及びNGOから英字新聞記事へのコメントの翻訳です。


2004年、メコン河委員会(MRC)は、セサン川で水質検査をおこないました。下記のカンボジアデイリーの記事では、その結果が外務大臣によってサムランシー党でこの問題に関心を示しているSon Chhay議員に送られ、水質悪化の原因はベトナムのヤリ滝ダムではないと伝えていることを報じています。

しかし、当のMRCは、2006年になった今でも水質調査結果報告書を公開を求め続ける住民や現地NGOには公開しておらず、カンボジアデイリー紙も、Son Chhay議員は、「カンボジア国内メコン委員会には結論を下すだけの適切な資金と科学的 データがないと述べている」と報道しているように、真相は定かではありません 。

この記事に対して、5月22日、セサン川の住民グループのネットワーク組織『3SPN』が反応しました。4月11日の記事ではきちんと説明されていなかった水質悪化の被害の実状を説明し、引き続き現地の状況を報道することを求めています。
また、水質検査結果が公表されることを求め、現地の住民から聞き取りをおこなった上で判断がなされるべきだと訴えています。

ベトナムのダムは水質に影響を与えていないと大臣が発言

(Kuch Naren記者、Ethan Plaut記者
カンボジアデイリー紙、2006年4月11日)

ラタナキリ州の住民が腸や皮膚の感染の原因と咎めているが、ベトナムの水力発電所はセサン川の水質に影響を及ぼしてはいない、と金曜日(4月7日)、Hor Namhong外務大臣がSam Rainsy党のSon Chhay議員宛ての手紙で述べた。メコン河委員会がカンボジア国内メコン委員会とベトナム国内メコン委員会と協力して、1年間雨季と乾季に水質の観測および試験をおこなったところ、水質に注目すべき変化はなかった、と大臣は書いている。

しかし、Hor Namhong大臣の手紙とカンボジア国内メコン委員会による報告書は両方とも、多くの問題は川の水位の大幅な変動により起きていることを認めている。大臣は、「水位は毎日1〜1.5メートルと不規則に変動するため、特にストゥントレン州やラタナキリ州の人命や家畜に危険を及ぼし、カンボジアの作物に被害を与えている」と書いている。

国民議会(下院)の外交委員会の議長という新しい立場で、独立調査と720MWのヤリ滝ダムへの訪問を求めているSon Chhay議員は、川の水の検査結果はこれまでのところ決定的ではない、と述べた。Hor Namhong外務大臣の手紙に添付されていたカンボジア国内メコン委員会による報告書は、委員会には結論を下すだけの適切な資金と科学的データがないと述べている。

NGOセサン川保護ネットワークのコーディネーターKim Sangha氏は、水質は日によって良かったり濁っていたりするため、(メコン河委員会の調査時の)サンプルは水がきれいな日にだけ取られたものではないかと思うと述べた。Kim Sangha氏はさらに、国境を越えてベトナム内で調査をおこなうことを求める声を支持する、と述べた。また、「もしも私たちがヤリ滝ダムの貯水池の水サンプルを得ることができれば、どれだけ(水質が)悪いかを明らかにすることができる」と述べた。一方で、水資源省水文局のLong Saravuth副局長は、1年間おこなわれた月毎の水質検査は、川の水が安全であることを示したと述べた。

「ベトナムのダムは水質に影響を与えていないと大臣が発言」(2006年4月11日)への住民の返答

2006年5月22日

記者殿

ラタナキリ州セサン川沿いの5万人の住民を代表して、私たちは、2006年4月11日にカンボジアデイリー紙に掲載された記事、「ベトナムのダムは水質に影響を与えていないと大臣が発言」に返答したいと思います。私たちは、貴誌がセサンの問題を取り上げたことに感謝する一方で、まずセサン川沿いでカンボジア人が経験しているいくつかの問題を紹介し、同記事へのセサン川コミュニティの反応を説明したいと思います。

ご存知かもしれませんが、(発電能力)720MWのベトナムのヤリ滝ダム下流に住むカンボジアのコミュニティは、1996年半ばからの、ダム建設とその運転により引き起こされた激しい洪水と不規則かつ急な水位変動、そして水質悪化の深刻な影響を受けています。

セサン川には引き続きたくさんのダムが計画・建設されており、大規模な環境・社会・経済的影響は悪化するだけです。被害が起きてからセサン川の住民が3SPN(訳注:セサン川、スレポック川、セコン川の住民グループからなるネットワークNGO団体)に繰り返し訴えるのは、ダム開発が開始してから川の水は悪化し、人々や家畜の健康を害しているということです。

多くの住民は、川の水を飲んだ後または浴びた後に皮膚に痒みや湿疹が出て、腹痛や下痢が起きると報告しています。また、家畜も川の水を飲んだり水浴びをした後に死んだり病気になったりしています。これらの情報は、過去6年の間に出されたセサン川とそこでの被害に関する報告書にしっかりと記録されており、これからも記録されていきます。ご希望に応じて、これらの報告書をお送りします。また、貴誌の記事に関して、私たちが最近持った住民との会合で出された発言のいくつかを共有したいと思います。

「今では水質がとても悪いです。私たちはたくさん病気で苦しんできました。ダムからの放水後に水位が上がると、水質は最悪の状態になります」。【Vong Dei 氏, Pon村, セサン川】

「川にダムがひとつもなかった頃は、病気はひとつもありませんでした。ただ、ヤリ(滝ダム)ができてから、私たちはたくさんの病気に苦しんでいます。子供たちが病気になることをとても心配しており、水位が上がっているときは水浴びを禁止しています」。【Soum Vang氏、 Pon村, セサン川】

「(記事にある)水位のことは本当です。ただ、水質については、情報はここに住む人たちから来るべきです」。【Hean Suen氏, Vang村, セサン川】

「Son Chhay議員、もし水質について確信が持てないのであれば、ここに来て、1年を通してテストをしてください。私たちには水が必要だからです」。【Jueha Thap氏, Pon村, セサン川】

「水質が問題です。4月6日に私が魚をとりに行った際、網を仕掛けるために水に手をいれたすぐ後、身体全身に湿疹が出ました」。【Roma Luan氏, Dal Lue村, セサン川】

上記の懸念や訴えに加えて、3SPNは、セサン川沿いの全てとヤリ滝ダムの貯水池においての、水質に関する包括的かつ定期的で独立した調査とその結果の公表を求めます。3SPNはさらに、水力発電開発によるセサン川における悪影響を緩和するための、政府の引き続きの協力を求めます。

私たちはカンボジアデイリー紙がセサンの問題を取り上げてくれたことに再度感謝すると同時に、セサン川の水質による健康被害に関する追跡記事を引き続き書いていただきたく、お願いいたしします。

敬具

Kim Sangha
3SPNコーディネーター
Tel: +855 (0) 11 942 621
Email: sesan@camintel.com

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