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メコン電力網>雲南からの視点2

メコン河開発メールニュース 2006年6月7日

5月18日にお送りしました、メコン河流域国間の電力貿易に関係する記事の第2弾です。1年前の記事ではありますが、具体的な数字が書かれているので、雲南省での電源開発のスピードや、メコン河下流国への電力輸出のインセンティブがよくわかるかと思います。

1本目の記事は雲南からタイへの送電協議について、2本目の記事は、2007年度を目安に省内の電力需給をバランスする見通しである雲南省が進める「省外への送電のために電源開発」についての、現地の報道です。また記事のなかの雲南電網 は南方電網の雲南支部です。

メコン・ウォッチの大澤香織の翻訳です。

雲南、「第11次5ヵ年計画」期間にタイへの送電をめざす

(2005年6月20日、新華社ネット雲南チャンネル

雲南電網公司によれば雲南省は「第11次5ヶ年計画」(2006年〜2010年)期間内のタイへの送電をめざしている。

雲南電力網公司の戦略研究計画発展部によれば、中国とタイは500キロボルトの送電網事業により、2013年と2014年にそれぞれ150万キロワット分(1500メガワット分)の送電を行い、最終的には年間送電量300万キロワットを送電する計画に合意したと述べた。

現在、タイと雲南省は協議中で「第11次5ヵ年計画」(2006年〜2010年)のなるべく早い時期にタイへの送電を考えている。雲南電力網公司は中・長期的電力購買協議契約が鍵だという。

タイとベトナムへの送電のほか、雲南はさらにビルマ、ラオス等周辺国にも送電協力を進める考えだ。鄭外生副主任はこれらの国々は豊富な水力発電資源を持ち 、水力発電開発を通じて各国の電力市場の需給状況に応じ一方、または双方向的な電力貿易を行い、技術、設備、建設事業面でプロジェクトに協力する。

雲南の電力、投資ホットスポットに。80億元余りの外資導入

(2005年5月11日、経済参考報

雲南の水力資源は中国全土で2位、石炭資源は8位だ。「西電東送」の基礎のもと近年「雲電外送」が熱い。雲南の電力産業は豊富な資源の優位と広い市場により資本が注目している。昨年は83.7億元の外資が導入された。

雲南は電力資源が豊富で、開発可能な水力資源量は9000万キロワット(9万メガワット)以上、年間発電量は4700億キロワット時以上の全国2位だ。火力発電も同様に、雲南の石炭資源は埋蔵量246.5億トン、全国8位だ。統計では、2004年雲南の発電総容量は1170万キロワット、合計543.8億キロワット時、電力網による売電量は合計378.8億キロワット時である。

しかし雲南電力の総発電容量は60%以上が水力発電によるもので、電力産業には構造矛盾がある。つまり雨期と乾期の発電供給が不均衡で、冬、春の渇水期には電力需要は逆にあがる長期的傾向にあり、2004年の雲南省の電力の欠乏は通年で61.2億キロワット時、2005年には70億キロワット時を超えた。

雲南政府筋によると雲南省は2007年に基本的に電力需給を均衡しようとしており、電力不足を過去のものとするつもりだ。2009年全省発電総容量は3000万キロワット以上、年間発電量は1300億キロワット時以上にのぼると見込まれる。また第11次5か年計画では「雲南」の華南地区への東送発電量はもっとも多くて300億キロワット時。2020年には全省の総発電容量は6000〜8000万キロワットにのぼると見られる。年間発電量は3000億キロワット時で、電力はタバコ産業を超える雲南の 産業の柱だ。

今後の雲南の電力の見通しとしてはさらなる需要拡大が見込まれる。雲南は全力で華南の電力市場を開拓しており「西電東送」南ルートの主要な省外輸出ルートだ。昨年、広東向け送電量は70.1億キロワット時で前年同時期比較12.17%増加 した。同時に雲南はその市場を隣接する東南アジア、インドシナ半島に広げよう としており、これらの市場における見通しは「雲電外送」の重要な条件となっている。雲南からタイ、ビルマ、ベトナム、ラオスへの送電成功後、カンボジア向けにも送電することは必然の趨勢だ。


【数字が並んでわかりにくいのでメコン・ウォッチで以下にまとめてみました】

発電能力 発電量
潜在 9000万kw 4700億kw時
現在 1170万kw 543.8億kw時 (*1)
2009 3000万kw 1300億kw時 (*2)
2020 6000〜8000万kw 3000億kw時

(*1)雲南では70億kw時の電力不足だが、ほぼ同じ電力量を広東に送っている。
(*2) このころには東部への送電量は300億kw時に達する見込み。


関連部門の予測ではインドシナ半島のタイ、ベトナム、ラオス、ビルマ、カンボジア5か国の瀾滄江―メコン河水力エネルギー資源の理論埋蔵量は、合計5800万キロワット、開発可能な発電総容量は3700万キロワットであり、現在、5か国の総発電容量は1985万キロワットに過ぎない。しかし2008年の電力需求総発電容量は4015万キロワットに達するとされ、2030万キロワットの不足となる。タイ、ベトナムの電力需給量は現在と比較して88%から67%増加する。2018年までに5か国の電力需給の不測は5268万キロワットで、そのうちタイ、ベトナム、ビルマ、カンボジアの電力需給不足は比較的大きい。

タイは東南アジアで経済発展速度がもっとも速い国のうちのひとつだが、エネルギー資源が乏しい。新たな電源開発のためにタイ政府は明確に外国から電力を輸入する必要があると言っている。1993年以来、中国―タイ両者は雲南電力購買に 関する各種会談を行っており、協力を深めている。

中国とタイの契約に関する原則と協議によれば瀾滄江の発電総容量は150万キロワットで、単独運行年発電量は63.7億キロワット字である景洪(ジンホン)と総発電容量が585万キロワットにのぼる糯扎渡(ヌオジャードゥ)発電所は完成後、電力を広東に送電する予定でまたタイの電力市場の需給に応じてタイに送電する 。

タイの電力市場発展の余地は比較的大きく、瀾滄江に建設中の景洪(ジンホン) 発電所、事業準備が進められている糯扎渡(ヌオジャードゥ)発電所およびその下流に建設中の橄欖土覇(ガンランバ)、孟力松(モンソン)発電所から川を下るとタイとの距離はわずか数百kmで、タイへの送電の地域優勢をもつ。関連部門がタイへの送電規模拡大を探ることができるし、2017年以後、雲南からタイへの送電規模合計は500から600万キロワットの可能性がある。おそらく糯扎渡(ヌオジャードゥ)発電所の電力は将来、主にタイに送られることになり、「西電東送 」のための電源開発は瀾滄江中上流と金沙江中流部分が見込まれる。

中国雲南省のベトナム北部に接する部分の経済は急速に発展しており、電力使用量は毎年10%以上のペースで増加しており、すでに巨大な電力不足が起きている 。
中国南電網に属する雲南電網は去年の秋冬に110キロボルトの雲南―河口変電所とラオカイ変電所によって4943万キロワット時を供給した。雲南河口県とベトナムラオカイの110キロボルトの送電ルートは中国最大規模の送電ルートで、送電の最大電力は40万キロワット、年購買電力量は2億キロワット時にのぼる。最近、南方電網公司とベトナムはふたたび協議を結び、ベトナムに送電する2本目の110キロボルトのルートを確定、2005年には雲南文山からベトナムのハザン省に送電する。

豊富な水力発電資源と優越した開発条件により、雲南の電力産業は現在投資のホットスポットとなっている。雲南省政府経済協力事務所の統計によると、去年は83.7億元の外資が雲南の電力開発に投資され、雲南電力産業は現在水力と火力の併用によって進められ、国有大企業と民間企業の双方が開発を進めている。雲南電網公司が現在、雲南で建設中あるいは計画段階にある大型水力、火力発電所の規模は1465万キロワットにのぼり、全省における中小の水力発電所の実行可能発電規模は200万キロワットである。

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