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ホーム > 資料・出版物 > メールニュース > タイ・ゲンコイ第2複合火力発電所>反対派リーダーが逮捕される

タイ・ゲンコイ火発>反対派リーダーが逮捕される

メコン河開発メールニュース 2006年1月7日

2005年11月に国際協力銀行(JBIC)が融資決定をした、タイのゲンコイ2複合火力発電所に関するニュースの第3弾です。

現地では6月と7月、事業に反対する住民リーダー7名が、「虚偽の情報を流した疑い」で逮捕されています。

以下、メコン・ウォッチの後藤歩の解説と翻訳記事です。


前回のメールニュースでお伝えしましたように、この事業によって影響を受ける住民たちは、発電所が取水する川の水不足や環境悪化を懸念しています。しかし、事業者が十分な情報を与えないまま建設を進める状況に業を煮やし、独自で情報収集をし、発信していました。これに対して、「虚偽の情報を流した」として住民リーダーたちが次々に逮捕されています。

タイの法律の専門家や人権・環境活動家は、今回の告発は、表現の自由および自然資源管理における市民参加を定めた憲法上の権利を侵害するかもしれない、と警告しています。また、タイの国家人権委員会の委員は、当局は事業建設の過程で市民参加の権利を無視し、住民たちが事業について知らされたのは遅すぎたと発言しています。

住民は今でも環境影響に関する十分な説明を受けていないと訴えており、JBICは十分な情報提供と住民参加が確保されていない事業への融資を決めたことになります。

2005年6月と7月の2つのバンコクポスト記事の翻訳です。

ゲンコイ2/初の法適用 住民リーダー逮捕

バンコクポスト 2005年6月10日

Piyaporn Wongruang記者

サラブリ県の警察は、事業に関する虚偽の情報を流布した疑いで、新しい発電所に反対する住民リーダーを起訴する態勢にある。

Krittikorn Muangphuttha警察中佐は、来月、捜査官が事件に関する報告書を検察当局へ提示すると述べた。

真実ではないと思われる情報の発信に対して、1992年国家環境保全推進法101条が発動されるのは初めてのことになる。

もし有罪となれば、被疑者は罰金最大10万バーツおよび/または刑務所に1年拘置される。情報がメディアを通して配信されていた場合、処罰は5倍重くなる。

Somkid Duangkaew氏, Prasit Duangkaew氏, Sunan Promyarat氏, Peerasak Suksamran氏、そして名前がわかっていない女性が、330億バーツのゲンコイ2事業への抗議を指揮したとして告発された。彼らは、発電所はパサック川の水を枯渇させ、水質汚染を起こすと述べている。

発電所は、現地の強力な反対によって中止され物議をかもしたプラチュアップキリカン県のボーノーク石炭火力発電所を計画していた、同じガルフパワー社によって建設されている。

去年の12月に受理された環境影響評価(EIA)報告書によれば、発電所は毎日パサック川から54,413立方メートルの取水を行い、処理した後、水路へ流す。

5月31日にガルフパワー社による提訴を受けた警察の告訴により、抗議者は6月2日に逮捕された。

Somkid氏は、自分たちのコミュニティへの発電所の影響について、真実を伝えようとする自分や仲間らを止めようとする事業者を非難した。

国家人権委員のSuphakij Nantavorakarn氏は、この事件は裁判で長引くだろうし、全ての証拠が揃う頃には事業が終了しているかもしれない、と述べた。彼は、当局は(事業建設の)過程で市民参加の権利を無視したと述べた。住民たちが(事業について)知らされたのは遅すぎたと言う。

ゲンコイIIに関する虚偽の情報でさらに2名の事業反対者が拘束される

バンコクポスト 2005年7月17日

Piyaporn Wongruang記者

ゲンコイII発電事業の反対者のさらに2名が、330億バーツの発電所計画反対運動の中で、「汚染源に関する虚偽の情報を流した」という罪で告訴された。

Suphaporn Thongsena氏とPhayung Atthacha氏は逮捕され、その後保釈された。先月始めにも、1992年国家環境保全推進法101条に基づき、同じ容疑で他の5名が逮捕されている。

この法律は、汚染者に損害を与える目的で汚染源の危険性に関する虚偽の情報を流布したものは、最大で1年の拘留及び/または10万バーツの罰金の対象となりうるとしている。もし虚偽の情報がメディアを通じて発信された場合、拘留年数は5年を上限に延び、罰金も50万バーツまで増える。

警察の今回のふるまいに対し、環境活動家が抗議の声を上げた。法律の専門家や人権および環境活動家は、今回の告発は、表現の自由および自然資源管理における市民参加を定めた憲法上の権利を侵害するかもしれない、と警告した。

「警察は、私たちが発電所に関する嘘の情報を流したと非難します。私は、人びとが発電所に困り、反対したいということに何の問題があるのかを問いたい」Phayung氏は述べた。

住民は、計画されている発電所はパサック川の水を枯渇させ、廃水が水質を悪化させると主張する。発電所は、現地住民の反対に遭い中止されたプラチュアップキリカン県のボーノーク発電所への投資者であった、ガルフパワー社によって運用される。環境影響評価報告書によれば、発電所は1日54,413立法メートルの水を使い、処理して川へ戻す。

反対住民は、この告発は発電所反対の住民の士気を弱める目的で行なわれた、と述べた。

一方で、事業の反対者は、ゲンコイ地区で保全クラブの1周年を記念する行事を行なった。「私たちはまだ降参していないと世間に伝えたい。このケースは、人びとが情報へのアクセスをほとんど持っていないということを表している」と、同じく告訴されたPrasit Duangkaew氏が述べた。

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