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怒江ダム開発>中国の環境保護グループが政府会議を拒否

メコン河開発メールニュース 2005年11月21日

メコン河と並ぶ東南アジアの国際河川サルウィン川の中国領内(怒江)に、連続ダムを建設する計画について、中国の環境保護グループは、引き続き環境アセスメント報告書の公開を求め、政府主催の会議をボイコットしました。

以下は、メコン・ウォッチの大澤香織(中国・雲南省)の解説と、インタープレスの記事の抄訳です。

この記事を読むと、ラオスのナムトゥン2ダム同様に、水力発電ダムが貧困削減や環境保護に寄与するというレトリックが使われています。

怒江のカスケードダム計画をめぐり、2005年10月末、北京で国家発展改革委員会を中心とする政府主催のダム会議が開れました。しかし会議に招待された中国の環境保護グループは、彼らだけではなく、広く一般にEIAが公表されることを求めて、またこの会議がステークホルダーの参加を確保した、という政府の口実に利用されることを恐れ、会議への参加をボイコットしました。

以下の記事抄訳では、この会議の席上、怒江ダムの主目的は「貧困削減」であり、発電は二の次だと語ったダム推進派の発言や、北京政府が打ち出したばかりのグリーンGDPを例に、怒江プロジェクトは北京政府の「より環境にやさしい発展」を模索する決心についてのテストケースである、と指摘されています。

怒江ダム:中国の環境保護グループ、政府主催のダム会議をボイコット

2005年10月26日

インター・プレス・サービス、Antoaneta Bezlova記者

北京発

政府主催のダム会議をボイコットすることで、中国の環境保護グループは怒江(サルウィン川)上の大規模水力発電カスケードダム建設における透明性の欠如に抵抗している。

環境保護グループは、10月末に開かれたこの会議が、秘密主義のうちに進められた政府による怒江ダム計画の情報公開を満たしている、という口実に使われることを恐れた。怒江の水力発電プロジェクトは、豊かな生物多様性と国連の世界遺産に登録された地区に13基もの連続水力発電(カスケード)ダムを建設するというものだ。NGOにより構成された中国河川ネットワーク(China Rivers Network)は怒江のプロジェクトを議論するため、週末のダム会議に出席するよう招待された。この会議は中国の主要な経済計画主体である国家発展改革委員会(National Reform and Development Commission、NRDC)が主催したものだ。

「会議の主催者は、会議の席上で環境影響評価(EIA)の一部を共有する、と言った。しかしわれわれは個人的に文書にアクセスしたいのではない。なぜ誰もがEIAにアクセスできるようにしないのだ?」中国社会科学院の一部である環境と発展研究センターの研究員、Zheng Yisheng氏は言う。

一般市民の抗議と下流国からの反対を受け、北京は昨年、この計画を暫定中止とした。そして中国で生まれたばかりの環境保護運動の勝利のうちに、温家宝首相は雲南省南部において提案されたこのダム計画の包括的な環境影響調査を命じた。

しかし中国の新たな「緑の法律」とうたわれているEIA法に違反して、プロジェクトのEIAは開発業者によって秘密裏に行われ、中国の内閣府である国務院の承認を得るため送られた。このプロセスにおいては事前の公聴会や、内容の公開は一切行われなかった。

怒江のプロジェクトが政府内部で静かにあがっていくのを恐れた環境保護グループは、8月に公開書簡を出し、政府がEIAを公開し、プロジェクトについての議論を行うよう要請した。これには61団体、99個人が署名を行い、温家宝首相と環境保護局(SEPA)および国家発展改革委員会(NRDC)に送られた。

それから2ヵ月たち、政府からは何の返答もないまま、中国河川ネットワークの代表は週末のダム会議への参加に招待された。おそらくこれは2003年に発効したEIA法が、大型プロジェクトはその環境影響の評価を行い、環境影響評価がフィージビリティ・スダディに含まれるべきであることを規定しているからである。EIA法はまた、建設によって影響を受ける人々の意見を考慮すべきだと要求している。しかし中国河川ネットワークの活動家らは、彼らが招待されたことにより、ダム推進派がこうした影響を受ける人々の意見を考慮することを回避しようとしていると疑った。

「われわれはさらなる哲学の衝突は望んでいないし、大型ダムの利害に関するさらなる議論も必要としていない。」怒江の環境影響評価の公開を求めるオープン・レターを支えた環境コンサルタント、馬軍(Ma Jun)氏は言う。「われわれは怒江プロジェクトの詳細を議論したいのであり、それはEIAが公開されなければ不可能だ」。

政府高官や電力産業界幹部、雲南共産党幹部らが出席したこのダム会議についての限られた報告には、刷新したプロジェクトを進めようという熱意が表れている。ダム推進派、あるいは科学推進派としてよく知られた年配の科学者 He Zuoxiu氏は、会議の席上、怒江水力発電計画の主な目的は貧困削減であると語った。

「水力発電開発は、現地の貧困削減のために有効な唯一の方法であり、怒江プロジェクトの主な目的だ。発電はその次である」と、彼は北京タイムズの中で語っている。

プロジェクトの推進派はダムは増大する中国のエネルギー需要を満たすためにも有効だとしている。しかし雲南省の指導者らは、電力を隣国へ輸出するつもりだと公言してきた。カスケードダムによるプロジェクトの発電総容量は2万MWで、三峡ダムよりも巨大であり、今や世界最大の水力発電プロジェクトとなった。

法律には、これほどの規模のプロジェクトは中国の議会である人民代表大会で承認されることが定められている。しかし中央政府は1992年に行われた三峡ダムの是非を問う投票で、たいへんな苦戦を強いられた:三分の一の代表が投票を棄権、あるいはこの政策に反対した。おそらく同様のキャンペーンに対する恐れから、怒江ダムの開発推進派らは中国政府の最高指導者への直接の政策決定へ圧力をかけている。しかしこのプロジェクトに対してもまた一般市民の関心は高まっている。

「怒江プロジェクトは環境保護の問題にとどまらない。これは中国での法律遵守の問題でもあり、政策決定における市民参加の問題なのです」と中国河川ネットワークのXue Ye氏は言う。もしプロジェクトが進めば、雲南の多くの少数民族から構成される少なくとも5万人の人々が移転をさせられる。

Xue氏は、これらの人々は議論の過程から締め出されており、何の発言権もない、と言う。計画はすでにタイやビルマの民族グループらからの怒りの抗議を巻き起こしている。怒江はこの地域でダムのない最後の川で、また東南アジアで第2の長さを誇る。

中国の市民グループは、共産党の宣伝部が水力発電計画についてのネガティブな報道の禁止を押し付け始めている、と言う。それにも関わらず、雲南省政府が怒江プロジェクトに関する4基のダムの第一フェーズについて北京の承認を求めている、というニュースは全国に知れわたった。

この議論は、北京がより環境に重点を置いた経済成長のモデルを模索する中でおきてきている。このダム会議は、北京が自然資源の枯渇により注目を払うと約束した新たな五ヵ年計画の青写真発表の、わずか一週間後に開かれた。

今年2月、政府は北京を含む10の地域でグリーンGDP評価のパイロット・プロジェクトを行うと発表した。提案されたグリーン指標は、短期的な経済指標のみならず、長期的な汚染、健康、資源枯渇のコストについての達成度を測るものとされている。

しかし雲南省はこのパイロット・プロジェクトに選ばれた地区には含まれていない。現地政府は、カスケードダムがすべて完成すれば、年間27億元(3億3300万ドル)の税収が得られると予測する。「怒江(プロジェクト)は、何が何でも成長、という政策を放棄し、よりバランスのとれた、環境に優しい発展を追求する、という中央政府の決心についてのテストケースだ」とXue Ye氏は語る。

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