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[MekongWatch] タイ石炭火力>汚職調査請求

メコン河開発メールサービス 2001年4月26日


タイ南部のプラチュアップキリカン県にトーメン社が最大株主となって計画しているヒンクルート石炭火力発電所に関するニュースです。地元の住民グループが昨年初めに国家汚職追放委員会(NCCC)に対して、公共地の不正取得などについて訴えていた件について進展がないため、住民グループは、この問題の事実関係を調査する小委員会の設置を求める文書をNCCCに提出しました。

以下タイ字新聞カウソット紙からの翻訳です。


カウソット紙2001年4月25日

4月24日午前9時、国家汚職追放委員会(NCCC)事務所で、プラチュアップキリカン県バーンサパーン郡トンチャイ村のバーンクルート環境保全グループのジンタナ・ゲオカムさん他、代表50名が、ユニオンパワーデデロップメント(UPDC)社のヒンクルート火発建設計画における汚職と公共地不法取得に関して調査を求める文書をNCCC書記、グランナロン・ジンティック氏宛てで提出した。文書はグランナロン氏の代理であるワチラ・サゴップパン苦情受け付け課担当が受け取った。

ジンタナさんは、「バーンクルート環境保全グループはNCCCに対して本件の汚職について調査するように文書で要請をしてきた。しかし、今日まで1年と2ヶ月あまり、何も進展が見られないので、NCCCに早急に本件の事実関係を調査する小委員会を設置するように要求することにした。汚職以外に、私たちはUPDC社が地元の役人と結託して不当に公共地を取得している証拠を掴んでいる。この公共地は火発建設用地の中にあり、UPDC社はそのうち13ライを盗み取ろうとしている。残りは9ライである」と述べた。

ジンタナさんは続けて、「土地法第9条は、公共地の取得は10ライを超えてはならない、と規定している。したがって、私たちはNCCCにこの件についても調査をしてもらいたい。4ライ分は既にノーソー3が発行されているかもしれない。これは不当である。本日、私たちはサハユニオン社の社前で、デモを行い、公共地を掠め取ろうとしているヒンクルート火発計画に出資しているサハユニオン社の社長で元首相のアナン・パンヤラチュン氏に『自分の家を掃除しなさい』と要求する声明を発する予定だ」と述べた。

バーンクルート環境保全グループは、NCCCにUPDC社の汚職と公共地不法取得を早急に調査するよう求めると同時に、地元の役人が公共地の不当な利用に関与していることを示す証拠文書を提出した。証拠文書は、ナロン・ウォンサワット氏(トンチャイ村区長)、ブンルア・ティアパン氏(トンチャイ村議会議員)の両名がUPDC社に対して住民が公共地であると主張している土地の利用許可証を発行したとしている。

バーンクルート環境保全グループは、声明で、「環境保護主義者でタイ社会の先頭にたって行政の透明性(トランスパレンシー)の必要性を主張しているとされるアナン氏が、実は10百万バーツ以上の費用を弁護士に払って公共地を13ライも掠め取ろうとしていることを知っていますか。そしてその弁護士というのが現政権の閣僚の親戚であるということを知っていますか。なぜ1000ライ以上も土地を買いあさったヒンクルート火発の事業主は、さらに13ライの公共地を望んだのでしょう。それはなぜならその公共地が火発建設用地の中にあったからです。ボイラー、煙突、電線、石炭置き場などが公共地の上に作られるのです。公共地(公道)は一本ではないですよ。6本あります。3本は、温排水排出機、石炭がらの捨て場所、取水口が作られる場所にあります」と述べた。

続けて、「もしUPDC社が誤って公共地を建設用地に組み入れてしまっただけなら、どうしてこんな風にすべての公道と運河の上に建設計画を描いたのでしょう。UPDC社の経営陣は、公共地があるということを知っていたに違いない。もしそうでないなら、どうしてわざわざ弁護士に10百万バーツも払って公共地取得をしたのでしょうね。そしてもしこの公共地を取得できなければ、UPDC社は公共地の代替えに海岸の土地を少なくとも50百万バーツ支払って購入しなければならないのです。そして公共地と海岸の土地を代替えでくるか、まだわからないのです。なぜなら代替えの手続きは容易なことではないから。少なくとも5年はかかるでしょう。アナン氏がご自身の役目について振り返って考えてみる時期が来たようです。コミュニティの平和と安寧を乱し、対立を持ち込む火発建設計画の上に胡座をかくのではなく、公共地を掠め取ることを諦めなさい。私たちは主権者である国民の権利に基づいて要求します。そして公道と運河を今後も以前と同じように協同で利用していくでしょう」と述べた。

同日、グリンピース東南アジアのエネルギー問題担当、ペンラピー・ナパラマパーさんは、「タイ政府に対してヒンクルート火発の建設計画を中止するよう要求する。なぜなら火発建設はタイの国土を汚いエネルギーのごみ捨て場にするようなものだからだ。グリーンピースの資料によれば、石炭火発はクリーンな発電所の燃料よりも多くの汚染を発生させることが明らかだ。なぜなら石炭を使って一定量の発電を行うには、他の燃料、たとえば石油と比べた場合、炭化ガスを29%も多く発生させるからだ。天然ガスと比較すると、80%も多く炭化ガスを発生させる。過去30年間で、大気中の温室効果層は30%も増している。これは人的な原因で気候変動を引き起こした結果だ」と述べた。

ペンラピーさんは、続けて「グリンピースは火発計画の事業主に対し、(現在の計画を)考え直して持続可能なエネルギー計画を支持するよう要求する。なぜならタイ国は、たとえば太陽光、バイオマス発電、風力など循環型のエネルギー開発の分野で高い潜在力を有しているからだ。したがって、タイ政府と火発建設計画に関係している出資会社に石炭火発計画を中止し、クリーン・エネルギーを使った計画に変更するように要求する。またプラチュアップキリカン県の火発計画は地域に対立を生んでいる。計画に対しては地域の反対運動、そして国際的な反対運動が巻き起こっている。そうした強い抗議のため、たとえばシンガポールのエネルギー会社や、フィニィッシュ・ノルディック投資銀行などのように出資会社の中にも撤退を強いられる会社が出てきた」と述べた。

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