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タイ環境ODA、岡崎議員が行政監視委員会で質問

メコン河開発メールサービス 2000年11月23日


タイのサムットプラカン県クロンダン区にアジア開発銀行(ADB)の融資と日本の環境ODA(円借款)を投じて建設が進められている東南アジア最大規模の汚水処理施設の問題が、11月20日(内閣不信任案の日)の参議院行政監視委員会で岡崎トミ子議員によって取り上げられました。

彼女が指摘したのは、

  1. 事前の情報公開と住民参加がほとんどないまま建設が始まったため、地元住民が激しく反対運動を展開している。
  2. 処理後の排水が汽水域に大量に流されるため(1日に52万5000立方メートル)、この水域で貝の養殖などの漁業を営んだり、その加工・販売などで生計を維持したりしている人々が、影響を懸念している。
  3. 専門家の中には処理施設が工場の排水と生活排水を同時に処理するため、重金属を充分に処理できないと指摘している。
  4. 事前の環境影響評価がなされていない。
  5. 用地の買収価格が公示価格の2倍以上であり汚職の嫌疑がかけてれている。タイ政府とADBが調査を始めている。

という点で、プロジェクトへの融資を一時中断すべきではないかと質しました。

これに対して外務省経済協力局長は、

  1. 建設開始後にタイ政府が実施した環境影響調査で問題ないと確認された。
  2. 融資する際に、旧海外経済協力基金の環境配慮のためのガイドラインに照らし合わせて外部の専門家を含めて審査した結果、問題ないと結論づけられている。
  3. 地域住民が参加しての委員会などが設置されている。

ことなどから、現時点で融資の一時中止をする必要はないと判断していると答弁しました。

これを受けて岡崎議員は、見解の相違が大きいとした上で、現地の状況に詳しいNGOなどの協力を得ながらプロジェクトのモニタリングをするように要請しました。

ちなみにクロンダン区の住民グループのリーダーや、調査を手伝っているバンコクのNGOの代表者が12月1日から来日する予定です。今のところ12月3日に早稲田大学国際会議場で「経済協力による新たな被害を出さないために・・・」という国際シンポジウムに出席するほか、12月7日には大阪で、8日には福岡(アクロス福岡)で講演会を行ないます。また国際協力銀行などとの会合も予定しています。

なお、今回このプロジェクトの問題が取り上げられた参議院の行政委員会は、昨年政府開発援助について集中審議をし、同年8月2日にODAに関する決議をまとめました。そして今年3月27日に国会法105条に基づいて、決議項目のうち会計検査院との関係が深い5項目について、同院に検査を要請しました。11月20日の審議は、この要請に対する会計検査院の報告書が提出されたことを受けて行なわれたものです。なお、国会法105条は3年前の12月の国会法改正によって追加された条項で、国会の監査能力を高めるために作られたものだそうです。参議院としてはこの条項を使った初めての監査であると、同日の冒頭で紹介されていました。

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