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パクムンダム武力排除は回避

メコン開発メールサービス 2000年5月21日


再び緊張が高まっているタイ東北部のパクムンダムですが、海外からのレターの効果もあってか、19日午前11時の武力による強制排除という事態は避けられたようです。しかし、事態は膠着状態で、解決の道はまだ見えていません。以下は20日のバンコクポストの邦訳です。


パクムンダム:駐車場占拠のデッドラインは過ぎたが衝突はなし
知事は高血圧に見舞われる

バンコクポスト、ウボンラチャタニ

5月20日

パクムンダムでの抗議行動終了のデッドラインは昨日過ぎたが、多くの人々が懸念していたデモ隊の排除はなされなかった。しかし、千人の村人によるダムの駐車場占拠は5日目を迎え、デッドラインを命じたウボンラチャタニ県のSivaSaengmanee知事は高血圧のため病院に入った。Siva知事は、抗議行動が始まってからほとんど眠っていないと話している。

村人たちはダムの余水吐(スピルウェー)を開けてメコン河からムンからに魚が遡上し、産卵したりそこで生育できるようにするよう求めている。知事の話によると、当局は抗議者たちに寛大な対応をとっていて、さまざまな関係者の間での話し合いを提案しているが、抗議者たちはそれを拒否しているということである。

タイ学生連合や、Campaign for Popular Democracyなど盟友たる団体の代表たちはサイトを訪れて、村人への支持を表明した。こうした団体は声明を発表し、政府が貧しい人々の惨状を無視していることを非難するとともに、抗議を粉砕するために暴力を使うことに警告を発した。

およそ200人の警察と自警団に監視されながら、抗議者たちは、「暗黒の5月事件」(反スチンダデモへの発砲で多数の死傷者・行方不明者が出た。近年の民主化の発端)から8年を記念する活動を実施した。

抗議者たちは、タイ発電公社(EGAT)が一般の人々に対して発電機が1つ破壊されたとか、県内は停電の危険にさらされたなどと嘘の情報を流して、暴力を煽っていると非難した。(占拠している)駐車場は、発電監視ビルの隣にある。しかしながら、大学講師に率いられた地元住民の一団が抗議者たちを罵倒する記者会見をサイトで開いた際には、緊張は高まった。Wirat Thongruang氏は、ラリーは非民主主義的で、電力不足や公共財産の破壊につながりかねないと述べた。彼はデモ隊に対して、ラリーを止め当局との話し合いを始めるように求めた。

先に当選した上院議員のグループは、平和的な解決策を見出すために、一次情報の収集にダムサイトを訪れる計画である。バンコク選出のSophon Suphapong氏によれば、15人の新しい上院議員が、村人やEGAT職員、知事、郡長、それに警察などと話をする予定だということだ。「私たちは人々と国家の衝突を望んでいない」と彼は述べた。

ダムに反対する抗議行動は、十年にの及び、建設のために移転を強いられた人々によって行われてきた。こうした人々は、ダムによって農地や生活の負担を強いられ、川の生態系は破壊されたと主張する。大多数の人々は、以前は豊富な魚資源によって生計を成り立たせていた。しかし、今ではダムが産卵のための遡上を妨げているため、魚はめっきりいなくなった。

やはりバンコク選出の上院議員であるDamrong Puttan氏は正式に上院議会が召集されたら、この件をフォローするための特別パネルを指名すると述べた。彼はまた、特にダムに関連する問題を扱うために、中立的な機関の設立を提唱した。

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