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ホーム > 資料・出版物 > プレスリリース >日本政府、カンボジア・ネアックルン橋梁建設計画にODA 事業仕分けの結果を無視した、119億円の巨額な無償資金協力

【プレスリリース】日本政府、カンボジア・ネアックルン橋梁建設計画にODA
事業仕分けの結果を無視した、119億円の巨額な無償資金協力

2010年6月25日

一昨日(2010年6月23日)、日本政府・外務省は、カンボジア政府との間で「ネアックルン橋梁建設計画」に対して政府開発援助(ODA)を供与する書簡の交換(E/N)を行いました【1】。このODAは、供与限度額が119億4,000万円という、無償資金協力ではけた外れに巨額な案件です。

2009年11月に実施され、国民の注目を集めた事業仕分けでは、日本政府の無償資金協力に関して、民主党議員が「ハコモノ無償は、要求額の3分の1減、経済インフラについては円借款で」というとりまとめ結果を発表しました【2】。今回の無償資金協力供与の決定は、民主党政権が自ら事業仕分けの結果をないがしろにし、仕分けの結果を骨ぬきにするものと言わざるをえません。

無償資金協力は通常数億円規模で【3】、外務省も「基本的には収益性が低く、医療・保健、衛生、水供給、初等・中等教育、農村・農業開発等の基礎生活分野(Basic Human Needs= BHN)、環境および人造り分野であり、当該国の生活水準の向上を目指すもの」と説明しています。無償資金協力の金額に上限がある中、有償資金協力(円借款)によっても十分実施できるだけの収益性があるこの計画に、なぜ無償資金協力が供与されるのでしょうか【4】。

今回の日本政府・外務省のODA供与に関する決定は、以上の疑問にまったく答えておらず、現民主党政権のODAに対する取組み方に大きな不安を感ぜずにはいられません。

ネアックルン橋梁建設計画は、カンボジアの東南部に伸びる国道1号線がメコン河と交わる地点に全長5,000メートルを超える橋梁および取付け道路を建設する事業です。建設によって影響を受ける住民が約230世帯にのぼるほか、現在あるフェリー渡河地点で通行客を対象に商売を営む売り子たちの生計への影響も心配されています【5】。

【1】外務省の発表は、http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/22/6/0623_02.html
【2】事業仕分けのとりまとめは、http://www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/h-kekka/pdf/nov24kekka/2-46.pdf
【3】2007年度の一般プロジェクト無償の1件あたりの平均額は4.7億円
【4】国際協力機構(JICA)の開発調査最終報告書(2006年)でも、借款による財務分析および提言がなされている。
【5】影響世帯数は、JICA資料(2009年)による。売り子は500人を超え、大半が女性との調査報告もある。

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