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パクムンダム問題:プレスリリース

2000年6月2日

パクムンダムとは

 タイのウボンラチャタニ県に、世界銀行の融資を受けて1994年に完成したパクムンダムは、現地の生活手段である漁業など社会環境に大きな影響を与えたにも関わらず、タイ政府、世界銀行ともに適切な対応をせずに、今日に至っている。

何が問題か

 影響住民による1年3ヶ月にも及ぶダム施設の駐車場での座り込みを、タイ政府は無視し続けたため、5月15日、住民はダム本体を占拠し首相との直接対話を求めた。27日に上院議員の仲介で、住民、電力公社、県知事による会議が開かれたが政府代表であるアムヌアイ氏は不参加。県知事、電力公社ともにこの問題に対する最終決定の権限は首相にあると認め、県知事は自ら首相に連絡すると表明した。

住民の抗議行動

 しかし、住民側はこれを県による時間稼ぎと見て、28日未明に首相府に進入。住民組織である貧民会議(Assembly of the poor)は報道機関に対し、住民は直接首相に問題を訴えるため首相府に入ったと表明した。タイ発電公社(EGAT)は地元のコンチアム郡の警察に対して、14人の活動家リーダーを起こするように求めている。この中には弱冠14歳の Paolo Srisawat君も含まれている。昨日、郡知事が逮捕状にサインをしたという情報があるが、逮捕は実施されておらず、事実関係は確認できていない。(クルンテープ・トゥラキット紙によると誤った情報と確認されたという)

武力衝突の危険性

 当局は座り込み民衆と対峙衝突させるための人員を集約中である。5月28日午前中には、住民は地域病院に輸血用血液準備の命令が出ていることを確認した。28日(日)夜に、県などの組織した自警団による襲撃があると懸念されたが、副首相が首相と住民との話し合いの場を設け、強制的なデモ隊排除はしないとインタビューに答え、一旦暴力は回避された。

 しかし、6月1日タイ発電公社は(EGAT)は住民に対し2日午前10時(タイ時間)をもってダムから退去するように求めた。午後2時には自警団の襲撃があるという情報が流れたが、午後3時現在、混乱は発生していない。ダム占拠住民によると自警団は人数を集めダム近くで待機しているという。住民は、自警団の襲撃を懸念しているが、自らのデモは平和的に行うとして、いかなる暴力も甘んじて受けると表明している。また、活動家リーダーが逮捕された場合、デモ参加者全員も逮捕されるよう当局にかけあうと述べている。

周辺情報

 政府は、問題解決のための委員会を設置すると表明、メンバーを発表した。しかし、地元ウボンラチャタニ県では、地方紙やビラによってダム占拠の影響で電力供給が止まり、洪水が発生するというニュースが流れている。そのため、地元でのデモ参加者に対する嫌悪感が高まっているが、ダムを占拠している住民グループによるとこれはEGATや県の指示によって行われているものだという。上院議員の一部も、このような手段で問題解決をすべきではないと県を批判している。

 環境NGO、東南アジア河川ネットワークによるとパクムンダムは遠隔操作されており、住民の占拠はダムに何ら影響を与えていないという。また、洪水が起こるという点についても、ダムの最高水位は海抜108.5メートルで近隣の市街に何の影響ももたらさないと指摘した。

日本の対応

 日本のNGO、メコン・ウォッチ、日本国際ボランティアセンター(JVC)、ADB総会福岡NGOフォーラム、ODAを改革するための市民・NGO連絡協議会(ODA連絡会)は、5月15日のダム占拠を口実としたデモ隊への暴力的排除を懸念し、チュアン首相あてに武力衝突回避を求めるファックスを送っている。世界銀行の融資したダムで暴力的事件が発生することを懸念した日本の大蔵省も、平和的解決を求めて世界銀行を通じ非公式にタイ政府に連絡をとっている。

メディアの皆様へ

このパクムンダムは10年以上も反対運動が続いています。タイの国内問題と取られがちですが、私たちメコン・ウォッチを中心とするNGOグループは、今後メコン河で行われる大型開発の行方を占う試金石となる場としてこの問題を捉えております。また、東南アジアの国家の中では「民主的」とされるタイで、懸念されるような武力衝突が起こる可能性があることを深く憂慮しております。多くの方に問題を理解していただくため、皆様の取材や問合せをお待ちしております。

連絡先は以下。

メコン・ウォッチ 木口 由香

Tel +81-3-3832-5034 Fax +81-3-5818-0520 E-mail info@mekongwatch.org

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