ホーム > イベント >【セミナー】ミャンマー軍の見せかけの「選挙」と人びとの求める真の連邦制民主主義 (2025.11.6)
2025年11月6日(木)18:30-20:00
2021年2月1日のミャンマー軍によるクーデター以降、軍はミャンマー各地で空爆を含む暴力を継続し、幼い子どもたちも含む数千人の一般人が犠牲になっています。軍の攻撃や、軍と民族抵抗組織・民主派との戦闘が全土に広がり、国内避難民が350万人を超えていたところに、今年3月末には中部で巨大地震も発生、被災地復興もままならない状況が報じられています。それにもかかわらず、ミャンマー軍の体制は12月末から来年1月にかけて「選挙」を強行し、自らの正統性を確保しようとしています。
ミャンマーでは今も2万2千人以上の政治囚が不当に拘束されています。軍の体制は、国民民主連盟(NLD)を含む40の政党の登録を抹消しました。一部選挙区では既に中止が発表されており、ミャンマー全土での「選挙」は行われません。また、今、ミャンマー軍が支配下に置いているのは、国土の二割ほどにしか満たないとも推定されています。
日本政府は8月1日に「緊急事態宣言解除を受けたミャンマー情勢について(外務大臣談話)」を発表、「被拘束者の解放や当事者間の真摯な対話を始めとする政治的進展に向けた動きが見られないまま総選挙が実施されるような事態となれば、ミャンマー国民による更なる強い反発を招きかねず、平和的解決がより困難になることを深刻に懸念」する、と表明しています。このような認識を日本政府が公にしたことは歓迎されますが、一方で「緊急事態宣言解除」は「選挙」の手続の一環です。また、ミャンマーを緊急事態に陥らせたのはミャンマー軍であり、日本政府がミャンマー軍の「真摯な対応」を期待していることは懸念される点です。
外務大臣談話を受け、日本とミャンマーの170を超える市民グループは、10月6日の国際協力の日に外務省に対し、軍政の見せかけの「選挙」実施を止めるため、また真の連邦制民主主義を確立しようと努力を続けているミャンマーの人びとの取り組みを支援する決然とした行動をとるためASEANや民主主義諸国と積極的かつ緊密に協働すること、国境を拠点とする人道援助ルートを経由し、もっとも弱い立場にあるコミュニティに届く支援を強化すること、民主派や正当性のある代表と正式にかつ意義ある形で関与すること、を求めました。
今回のセミナーでは、その声明をリードし、これまでもミャンマー市民社会の声を集め発信してきたプログレッシブ・ボイス(Progressive Voice)のキンオーンマー氏を招き、最新の状況を共有していただくとともに、真の民主主義体制を築こうとしているミャンマーの市民グループが日本政府や市民に求めることを伺っていきます。