メコン・ウォッチの松本です。
メコン河流域国の破壊的な開発の資金源として、中国の存在はもはや無視できな
いものになっています。
自国企業の海外投資や貿易を支援する輸出信用機関(日本では国際協力銀行)の
中で、世界第3位の業務規模を誇る中国輸出入銀行。この資金調達に欧米の大手
銀行が積極的な関与を見せています。
以下、メコン・ウォッチの大澤香織(中国担当)の翻訳です。
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NGOらが「環境マネー・ロンダリング」を警告
(IRNとFoE−US、メディア・アドバイザリー、2005年7月21日)
現在、6つの大手国際銀行が中国輸出入銀行に対する10億ドルの債券を準備して
いる。中国輸銀は世界で3番目に大きな輸出信用機関だ。中国輸銀は、人権面で
最悪の記録を持つ国々において環境、社会的に破壊的なプロジェクトに対してい
くつもの融資を行っている。国際河川ネットワークと地球の友-アメリカは中国
輸出入銀行の実績を考慮して、懸案の債券の発行が民間銀行の環境基準を損ない、
環境マネー・ロンダリングに繋がると警告している。
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BNP パリバス、シティ・グループ、ゴールドマン・サックス、HSBC、メリル・リ
ンチ、中国銀行インターナショナルは現在、中国輸出入銀行に対する10億ドルの
債券発行を準備している。中国輸銀は、スーダンのMerowe、ビルマのYeywa、ラ
オスのナン・マン3、ザンビアのLower Kafueなど環境、人権への深刻な影響から
問題となっているいくつかのダムに対する融資を行っている。世界で3番目に大
きな輸出信用機関である中国輸出入銀行は、これまでどのような国際的環境、人
権基準も採用してきていない。その環境政策については機密事項となっている。
ここ2年間、民間銀行はプロジェクト融資における彼らの環境基準を非常に強め
てきた。ただし債券の発行など企業への融資活動については、これまでこうした
潮流を免れてきた。中国政府もまた近年、環境規制を強めてきている。しかし、
規制は中国の独断的な国際経済政策はカバーしていない。民間銀行が債券を準備
する際に社会、環境基準を適用させることに失敗したことが、中国輸出入銀行な
どの機関が直接資金を集められないプロジェクトに対し融資を行うことを可能と
している。「中国輸出入銀行が国際的な環境と人権基準を批准するまでは、民間
銀行はこの機関に対して融資を行うべきではない。」Peter Bosshard氏、国際河
川ネットワーク、ディレクターは言う。「国際資本市場で中国輸銀への債券を準
備することにより、これらの民間銀行は彼ら自身の基準を侵害することに力を貸
すことになるだろう。」
Michelle Chan-Fishel氏、地球の友-アメリカのグリーン投資プログラム・マネー
ジャーによれば「民間銀行が、実際は中国輸出入銀行を通じたプロジェクトへの
融資により環境マネー・ロンダリングを行っていながら環境基準を満たしている
と主張することは、不誠実である。中国輸銀は民間銀行自身の環境基準をまった
く満たしていない」という。
より詳細な情報については以下を参照:
Peter Bosshard, IRN, Tel. +1 510 848 1155, peter@irn.org
Michelle Chan-Fishel, FoE-US, Tel. +1 415 544 0790, mchan@foe.org
中国輸出入銀行への懸案となっている債券発行についての簡単な背景に関するペー
パーは以下から入手可能である:
www.irn.org/programs/finance/index.php?id=050721exim.html
中国輸銀についてのメコン・ウォッチ、メールニュース;
http://www.mekongwatch.org/resource/news/20040125_01.html
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