メコン・ウォッチの松本です。【転載歓迎です】
3月17日に案内をさせて頂きましたが、直前になりましたので再度ご案内致しま
す。重複で受信された方には申し訳ございません。
日本のODA(政府開発援助)を使った発展途上国のダムと公共事業としての日本
国内のダム・・・それぞれが抱える問題や共通の課題を考えるセミナーを、メコ
ン・ウォッチなど三団体が参加するRWESA(東・東南アジア河川ウォッチ)ジャ
パンが開催します。メコン河流域国からは、ラオスのナムトゥン2ダムを取り上
げます。是非ご参加ください。
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RWESA-J ダムセミナーのご案内
『日本と東南アジアのダム:改めてその必要性を問う』
大型ダムのもたらす多大な便益という神話から、これまで大型ダムの建設が世界
中で行われてきました。しかし、大型ダムはその建設によって人類の発展に重要
で有意義な貢献をしてきた面もある一方、移転を強いられた住民、下流の地域社
会、納税者、自然環境など、特に社会・環境面において容認できない不必要な代
償払ってきました。
今回のセミナーの第一部では、現在国内外で取り組まれているダムの問題の事例
を紹介します。第一部の八ッ場ダムに関しては事業の必要性と莫大なコストの問
題、ケラウダムに関しては事業の必要性と政府開発援助(ODA)関する問題、ナ
ムトゥン2ダムに関しては世界銀行が掲げる「貧困削減と環境保護」に関する問
題を中心に提起します。第二部では、第一部の問題提議をうけ国内ダム問題と海
外での援助によるダム問題の接点を皆さんと一緒に探り、協力して活動していく
道を探りたいと思います。
【日 時】 2004年4月5日(月)19:00〜21:00
【場 所】 全水道会館 6F会議室
JR水道橋駅 東口(お茶の水寄り) 徒歩2分
都営地下鉄三田線水道橋駅 A1出口 徒歩1分
地図→ http://www.zensuido.net/kaikan/kaikan.htm)
【参加費】 無料
【主催】 RWESA-J(ルイサ・ジャパン)
【お問合せ/お申込み】 ◆水源開発問題全国連絡会(水源連)(担当:氏家)
TEL/FAX: 046-252-5037
E-mail:BXI04376@nifty.ne.jp
◆FoE Japan (担当:松本・清水)
TEL: 03-3951-1081 FAX: 03-3951-1084
E-mail:shimizu@foejapan.org
◆ 当日のプログラム:
第1部 日本と東南アジアのダム事情(19:00〜20:00)
1.八ツ場ダム 水源連 嶋津 暉之(20分)
2.マレーシア・ケラウダム FoE-Japan 波多江 秀枝(10分)
3.ラオス、ナムトゥン2ダム メコン・ウォッチ 松本 悟(10分)
4.質疑応答(10分)
5.国際ダム会議 Rivers For Life(タイ:11月)の報告(スライドショー)
[発表者]水源連 氏家(10分)
第2部 パネルディスカッション(20:10〜21:00)
ー公共事業としてのダム、援助としてのダムー
第1部の発表を踏まえ、発表者をパネラーとして、今後の国内のダム問題と援助
のダム問題の違いと共通点を探り、協力して活動していく道を探りたいと思いま
す。また、参加者の皆さんからのご意見も交えながら、意見交換を行いたいと思
います。
◆RWESA-Jの紹介
"Rivers Watch East & Southeast Asia " (RWESA/東・東南アジア河川ウォッチ
:ルイサ) は、このような破壊的な河川開発を阻止するための東アジア、東南ア
ジアのNGO、市民団体の約35の団体が構成するネットワークで、2000年7月に誕生
しました。日本からは水源開発問題全国連絡会(水源連)、メコン・ウォッチ、
FoE Japanが参加し、この国際的なNGOネットワークに対応する日本の窓口として、
RWESA-Jが設立されました。
◆各ダム問題の概要
○八ッ場ダムとは?
1970年度に国の事業に採択された、利根川水系吾妻川に計画された有効貯水容量
9000万トンの多目的ダム。しかし、八ッ場ダムは様々な問題をはらんでいる。ま
ず、ここ10年間頭打ちの状況である首都圏の水需要や利根川の治水の面からみた
場合、八ッ場ダムの必要性が希薄であること。また一方で事業費は、ダム事業費
としては全国一である4,600億円という莫大な金額であること。さらに、吾妻渓
谷の喪失など自然への大きな影響と、脆弱な地質を原因とする災害の危険性も懸
念される。このような問題をうけ、最近では首都圏住民などが中心となった反対
運動が広がりつつある。
○ケラウダムとは?
マレーシア・パハン州にあるケラウ川から首都クアラルンプールとそのベッドタ
ウンであるセランゴール州へ一日23億リットルの水を導水する水供給事業の一環
として建設される予定となっている。2003年3月、この事業に対し日本政府は、
日本が政府開発援助(ODA)を開始して以来50年経つ中でプロジェクト借款の過
去最高額となる約820億円を限度とする特別円借款をマレーシア政府に供与する
ことを決定した。しかし、そもそもこの事業はその必要性に関して疑問が提示さ
れている。マレーシアは世界有数の降雨地帯であるにも関わらず水不足に陥った
経験があるが、これは漏水や盗水が多いために、世界でも最大レベルの水消費量
の数字を残している。つまり、マレーシア政府の不適切な水管理政策に拠る所が
非常に大きい。また、ダム建設に伴う先住民族の立ち退き問題も起こっている。
こうした問題が改善されることなく、現在、日・マレーシア両国の莫大な税金が
費やされようとしている。
○ナムトゥン2ダムーダムによる貧困削減と環境保護??
東南アジアの内陸国のラオス中部を流れるメコン河支流のナムトゥン(トゥン川)
に建設予定の巨大ダム。総事業費は10億米ドル、1080メガワットのうち大半を隣
国タイに輸出して、電力立国を目指すものである。人口500万人のラオスにあっ
て、5000人余りが立ち退きを余儀なくされ、数万人が漁業被害などを被る。フラ
ンスとタイの企業が推し進め、日本が第2の出資国である世界銀行が支援を検討
中だ。世界銀行は「ナムトゥン2ダムがラオスの貧困削減と環境保護に貢献する」
と、批判の多いダム支援に新たな活路を見出そうとしている。しかし、建設資金
が集まらないうちから、水没予定地の伐採が行われ、林産資源に依存した住民生
活は破壊された。さらに、ダム計画があるために新たな地域振興策が打ち出され
ず、もはや住民たちはダムの補償に頼らざるをえない状況にある。こうした開発
手法を『貧困削減』の名のもとに、日本政府や国際機関が認めようとしているの
である。
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